【戦争映画見るならコレ】動画配信サービスでみれる 大御所監督たちの10選

映画

スティーブン・スピルバーグの「プライベート・ライアン」 ~壮絶なD-Dayを生き残れるか?~

1998年 アメリカ制作 上映時間 170分

監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:ロバート・ロダット、フランク・ダラボン

キャスト:トム・ハンクス、トム・サイズモア、エドワード・バーンズ、バリー・ペッパー、アドム・ゴールドバーグ、ヴィン・ディーゼル、ジョヴァンニ・リビシ、ジェレミー・デイヴィス、テッド・ダンソン、デニス・ファリナ他

言わずと知れた、スピルバーグ監督の名作、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を題材にした作品です。

3時間近い超大作です。
今なら3部作が作れるのでは、というくらいの多種多様なエピソードが散りばめられています。
あまりにも有名な冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンも、つかみのエピソードでしかありません。

そのノルマンディー上陸作戦は、映画史上最高難易度の戦争シーンではないでしょうか。
見ているだけで、この難関を突破できるヤツはいるのか?と思わせます。

話の主題は、ライアン4兄弟のうち3人が戦死し、末っ子のジェームズを帰還させる、という美談からの物語の導入です。
しかし終わってみれば、その命令は悲劇の上に成り立ったという話ですが、
これを理不尽と片付けては、そもそも戦地へ出向くこと、ましてや遠いヨーロッパ戦線へ出兵なんてこち自体が現代からしてみれば理不尽かもしれません。

そもそも、最初のマーシャル参謀総長のジェームズを帰還させるという命令の判断が正しかったのでしょうか。勝つことが目的なら戦略戦術面から俯瞰的に、かつ非情に判断するべきではないのでしょうか。

しかし、結果的にミラー大尉率いる救出チームが出向かなければ、前線での勝利はなかったのです。ミラー大尉も場面場面で決断を迫られます。

この映画は、局地局地での決断がその後の結果にどう結びつくかという、リーダーシップ論要素の強い映画だったのかと、改めて思います。

実は「八甲田山死の彷徨」に代わるディシジョンメイキングの教材になるのかもしれません。

それにしても、トム・サイズモアは最高の部下だと思わせてくれます。ああいう人がいたらリーダーは心強いですね。

「プライベート・ライアン」はこちらで見ることができます。

リドリー・スコットの「ブラックホーク・ダウン」    ~CODの原点~

2001年 アメリカ制作 上映時間145分

監督:リドリー・スコット
脚本:ケン・ノーラン

キャスト:ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、エリック・バナ、ウィリアム・フィクナー、サム・シェパード、オーランド・ブルーム、ユエン・ブレムナー、トム・ハーディ他

米軍のソマリア内戦介入で1993年に実際に起きた「モガディシュの戦闘」を基にした作品です。
そこには、米軍兵士、ソマリアの民兵双方の悲惨さ、戦闘の過酷さが描かれています。
とはいえ、全編にハンス・ジマーの音楽が流れ、戦闘シーン・兵士がスタイリッシュに撮られていて、よりエンタテイメント色の強い作品です。
まさに、リドリー・スコットの特徴がよく出ている作品です。

そしてこの作品は、多くの映像コンテンツの潮目を変えた逸品です。
例えば、FPS(ファーストパーソンシューティング)ゲームの金字塔、コール・オブ・デューティ(COD)シリーズはこの作品に大きな影響を受けています。
そして、CODの成功が、現在のゲーム業界でFPSが大きな市民権を得たきっかけになったと言っても過言ではありません。

この作品で個人的に惹かれたのは、デルタフォースの一員を演じたエリック・バナと、車両部隊のリーダーでどんな過酷な状況でも動じないトム・サイズモアでした。

「ブラックホーク・ダウン」はこちらで見ることができます。

クリストファー・ノーランの「ダンケルク」  ~歴史的大脱出劇~

2017年 イギリス、アメリカ、フランス、オランダ制作 上映時間 106分

監督:クリストファー・ノーラン
脚本:エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン

キャスト:
フィン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ、アナイリン・バーナード、ジェームズ・ダーシー、バリー・コーガン、ケネス・ブラナー他

難解映画で有名なクリストファー・ノーランの作品です。
この作品は上映時間が2時間を切っていて内容的にも分かりやすいものになっています。
第二次世界大戦時の、フランスのダンケルクというベルギーとの国境に近い、ドーバー海峡に面している町から、イギリス兵約40万人を脱出させるという作戦の史実を基にした作品です。

話の展開は、マルチアングルかつ多元中継的に始まります。最小限のセリフと、モノトーン的な音楽、あとは映像で語られていきます。
始めはスローなテンポから、徐々に緊迫感が増していき、ラストまで一気に魅せてくれます。
そのあたりのストーリー展開はまさにノーラン節と言っていいでしょう。

一番刺さったセリフは、
「年寄りが戦争を始め、子供たちを戦争送ってしまった」

”侵略戦争には決して屈しない”とか、かっこいいスローガンを謳って民衆を煽っても、
結局いつの時代でも犠牲になるのは、未来ある若者たちなのだと感じさせてくれます。

「ダンケルク」はこちらで見ることができます。

フランシス・F・コッポラの「地獄の黙示録」 ~爆音で聴きたい~

1979年 アメリカ制作 上映時間 153分(劇場版)

監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:ジョン・ミリアス、フランシス・フォード・コッポラ

キャスト:マーロン・ブランド、ロバート・デュヴァル、マーティン・シーン、フレデリック・フォレスト、アルバート・ホール、サム・ボトムズ、ラリー・フィッシュバーン、デニス・ホッパー、ハリソン・フォード

一つの作品とんでもないお金をかけることで有名なコッポラ監督の作品です。

一言で言えば戦場の狂気の世界に主演のマーティン・シーンが突っ込んでいく話です。

昔、とっつきにくい印象でちゃんと見たことはなかったのですが、改めて見直してみると意外と見やすいです。

しかし、序盤から終盤まで、常に綱渡りしているような感覚にとらわれます。

狂気といっても色々な側面があって、まだ戦場の怖さを知らない若者の危うさ、戦地で男性ばかりで理性を抑えるのに必死な狂気、
そして、ラスボス感半端ないカーツ大佐は狂気そのものです。

なんと言っても最大の狂気は、フランシス・F・コッポラ監督の壮大な映画製作にかける執念ではないでしょうか。

「地獄の黙示録」はこちらで見ることができます。

スタンリー・キューブリックの「フルメタル・ジャケット」 ~ファミコン・ウォーズ!~

1987年 アメリカ、イギリス制作 上映時間 116分

監督:スタンリー・キューブリック
脚本:マイケル・ハー、グスタフ・ハスフォード

キャスト:マシュー・モディーン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、アーリス・ハワード、アダム・ボールドウィン、ドリアン・ヘアウッド、ケビン・メージャー・ハワード、エド・オロス他

鬼才キューブリック監督の作品です。難解なイメージのある監督ですが、比較的分かり易い方でしょう。

前半と後半で全然違うトーンになっていますが、前半の訓練模様はリアルすぎて、観ている方がメンタルやられそうになります。

後半はベトナム戦地での市街戦がメインですが、そのシーンがリアルなこと。
1980年代作品で、ここまでリアルに描いた戦争映画は稀だったのではないでしょうか。

また、劇中歌の使い方が何ともシュールで、ストーリー展開のネガトラのコントラストを際立たせるのにとても効果的です。

「2001年宇宙の旅」もそうでしたが、キューブリックは、音楽の使い方に非常に特長のある監督の1人です。

「フルメタルジャケット」はこちらで見ることができます。

サム・メンデスの「1917命をかけた伝令」 ~前代未聞のワンカット撮影~

2019年 イギリス、アメリカ制作 上映時間 119分

監督:サム・メンデス
脚本:サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ

キャスト:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング、アンドリュー・スコット、リチャード・マッデン、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ他

どれだけ綿密に綿密に計算すれば、この作品を作れるのでしょうか。

完全な長回しワンカットではなく、そのように見せているとはいえ、長回しを多用しているのは確かですし、撮影までの準備が途方もなかったことは想像に難しくありません。
出演者、カメラの位置取り、動き、画角すべてが計算しつくされています。

その効果は十分に現れていて、カメラが演者を先回りすることがないので、演者とほぼ同タイミングで観客は同じ感情を共感することができます。この共感の”リアタイ”こそがこの作品の醍醐味です。

主人公のスコフィールドへの没入感、投影感をこれほど緊密に感じた作品は他にあまりないのではないでしょうか。そのあたりは、オープンワールドRPGに近いものがあると思います。

映像の魔術師、サム・メンデス恐るべし、です。

「1917命をかけた伝令」はこちらで見ることができます。

タランティーノの「イングロリアス・バスターズ」 ~鬼才が戦争映画を撮ってみた~

2009年 アメリカ、ドイツ制作 上映時間 153分

監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ

キャスト:ブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツ、マイケル・ファスベンダー、イーライ・ロス、ダイアン・クルーガー、ダニエル・ブリュール、メラニー・ロラン他

始まりから終わりまで、どこを切り取ってもタランティーノ節です。
第二次世界大戦のナチスを題材にした戦争映画ですが、題材が戦争てというだけです。タランティーノの映画はタランティーノ以外撮ることができない、ほぼ全員死ぬのもいつも通りです。

メインキャストはブラッド・ピットなのですが、何と言ってもクリストフ・ヴァルツが凄いのです。
憎たらしいくらいの悪役ぶりが素晴らしいです。
冒頭から観る者の神経をえぐるような、タランティーノ節全開プロットも、彼が演じるからこそ最大限の魅力が発揮されています。

タランティーノの映画は、どれもそうですが、観る者のエネルギーを根っこから吸い取っていきますので、ぜひ体調が良い時に鑑賞するのをお勧めします。

「イングロリアス・バスターズ」はこちらで見ることができます。

マイケル・ベイの「13時間 ベンガジの秘密の兵士」 ~アクションエンタ × 戦争映画~

2016年 アメリカ制作 上映時間 144分

監督:マイケル・ベイ
脚本:チャック・ホーガン

キャスト:ジェームズ・バッジ・デール、ジョン・クランシスキー、パブロ・シュレイバー、デヴィッド・デンマン、マックス・マーティーニ他

2012年に実際に起きたアメリカ在リビア領事館襲撃事件を基にした作品なわけですが、
そこはアクション・エンタテイメントを得意とするマイケル・ベイ監督。
「オレもリドリー・スコット先輩のように真面目な戦争映画撮りてぇー、2001年に撮った『パール・ハーバー』の轍は踏まねえぞー、と思ったかどうかは知りませんが、
そのテイストは、エンタテイメント大作シリーズ『トランスフォーマー』と何ら変わりません。
ただ、題材が史実だったというだけです。

それでも、やはり手に汗握る戦闘シーンはお手のものなわけで、普通にエンタテイメント映画として面白い作品に仕上がっています。

若干、こんな反米暴動を基にした作品を思いっきりエンタメに振った作品に仕上げて、ムスリム近辺に燃料投下にならないのか心配になりますが、
そういうところは日本人の感情を完全に無視した『パール・ハーバー』から何も学んでないのが、いかにもマイケル・ベイらしいです。

「13時間 ベンガジの秘密の兵士」 はこちらで見ることができます。

オリバー・ストーンの「プラトーン」 ~実体験があったからこそのリアル~

1986年 アメリカ制作 上映時間 120分

監督:オリバー・ストーン
脚本:オリバー・ストーン

キャスト:チャーリー・シーン、ウィレム・デフォー、トム・べレンジャー、フォレスト・ウィテカー、ケヴィン・ディロン、ジョン・C・マッギンリー、フランチェスコ・クイン、デイル・ダイ、ジョニー・デップ他

自身がベトナム戦争に従軍したオリバー・ストーン監督の経験をもとに、作られた作品です。

戦争に送り込まれた兵士達が、次第におかしくなっていく有様、戦地で起きている善悪がおかしくなっていく姿が、実に生々しいです。
オリバー・ストーン監督自身がベトナム戦争体験しているからこそ描ける映画でしょう。

ベトナム戦争を描いた作品は、先述の「地獄の黙示録」、「フルメタル・ジャケット」など色々ありますが、そこにいる兵士達の心境を、ここまで深くえぐった作品はあまりないのではないでしょうか。

戦争は、確かに多くの人の命を奪い、生活を破壊するけど、本当の悲惨さは人の心を破壊することなんだろう。それがオリバー・ストーン監督の反戦メッセージの一つではないでしょうか。

そして、そのことは現代の戦争でも同じことが言えるのでしょう。

また、今では超有名なスターたちの無名時代の姿が多くみられるのも、この作品の特徴です。

「プラトーン」はこちらで見ることができます。

メル・ギブソンの「ハクソー・リッジ」 ~エグさNo.1!~

2016年 アメリカ、オーストラリア制作 上映時間 139分

監督:メル・ギブソン
脚本:ロバート・シェンカン、アンドリュー・ナイト

キャスト:アンドリュー・ガーフィールド、サム・ワーシントン、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマー、ヒューゴ・ウィーヴィング、レイチェル・グリフィス、ヴィンス・ヴォーン、ライアン・コア、リチャード・ロクスバーグ

メル・ギブソンは俳優としてだけでなく、監督としても名を馳せています。アカデミー作品賞を受賞した歴史スペクタクル「ブレイブハート」が有名ですが、第2次世界大戦の沖縄戦での史実を基にした作品です。

メル・ギブソン監督だけあって、他の戦争映画と比べても、かなりエグいシーンが続きます。
が、そこはハリウッドエンタテイメントです。
2時間超の長さを感じずに、前半の訓練の話からハクソーリッジ戦まで一気に見せてくれます。
本当にこんなにドラマになるようなエピソードがあったんだなと。
主演のアンドリュー・ガーフィルドの、前半の嫌われ者から、ヒーローになっていく見せ方は、演技もそうだし監督の演出もさすがです。

ただし、あくまでもアメリカ目線です。

「ハクソー・リッジ」はこちらで見ることができます。

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